Beyond the dream

壊す

おやっ、そこに居りましたのですか?

言って解らぬコト、説明してなんに生る。

be by my side

in the end

君が、妻ととても親しいのだと、気がついた日に 自動車をもう運転するのをやめると、私は決めた。 あれ以来、妻とドライブに行く事は無くなった。 妻は、バスと電車を乗りついで病院に通っていた。 風の強い日に思い出す

輪唱

いつのまにかに、あって ぜんぜん疑いもせず いつでも まわりにたくさんあって 時々、じゃまになったりしたのに いまでは 空っぽだった でも、まだその形のまま 膨らんだままです

そら

朝起きて空を見上げたら、海が空からこぼれていた。 まだ、寝ていて夢を見ているのだなと思った。 さっき目覚めたばかりなのは、間違いない事実のはずだった。 どうして今日、こぼれてしまったのだろう。 分からないのは、そのことだった。

Don't worry

気を遣おうとしてもポケットの中はからっぽ 裏返してみたけど 私の気はそこからは出でこないから 私に気をつかわないで

プレイ

草むらの道を進む。突き当りに祠が有るはず。 わたしがヨチヨチと歩き出した数十年前に、もうその祠は建っていて、 その頃すでにもう草臥れていた。 強い太陽の光をあび、雑草が私の背丈よりも高く生い茂る。 祠の屋根が雑草のすきまからチラチラと見えてき…

curse

星鳥は気がつく。 きまった一つの方向しか見えなくなって、 その反対へは全く向けないように自分を縛ること。 呪いが架かると、そうなってしまうんだと。 ある日突然やってくる。 そのときまで見えなかった方向に、向けるようになる。 遠くはなれた凍えた大…

メーター

空っぽだったんだ、ある日気がつく。 針がカラを指しているメーターを、その日、目にする。 ちょっと前から変だと気がついていた。 なにかが足りなくなっていた。 へりつづけていた。 すこしずつ。 軽くなり楽になっていたのかもしれない。 でも、そもそも重…

端のカリカリ

フライドエッグのカリカリに焼けた端のぶぶんと同じくらいに 君がすきな僕だった 今朝もつくった きみはトロトロで端がかりかりのフライドエッグ 大好きだったのにね

ヴァーブ

お題「行きたい場所」 追いかけているのかもしれない、 いや。 逃げているみたいな気もその人は、してくる。 英語の動詞には現在形と過去形はあってもね、 未来形の動詞ってないんだよ。 むかいしある人が教えてくれたのを思い出す。 使える動詞は、現在形と…

B2

黄色いねこがニコニコと笑いながら私に向かって飛びついてきた。 みどりのどじょうはそれを怪訝そうに見つめてながら、左手で スマートフォンをいじってる。 灰色のコーヒーカップだった少し前みたいに、黄色いねこを私は やさしく抱きとめるつもりだった。 …

思い出し

昔のことを人は【思い出】と呼んで思い浮かべる。 記憶している思い出。すでに記憶してると思っていても、思い出せないこともある。 それは半分忘れていると、呼ばれる。 忘れていると、いや、そもそも始めから記憶の中にあるなんて全く思っていない、 出来…

科学者が駆け寄りこう告げた。 将軍、ついに敵の攻撃力を無効にできる装置が完成しました。 では、すぐに効果をたしかめてみよう。起動するのだ。 窓の外をむいたまま将軍は言った 科学者は装置のボタンを押した。 科学者の手を将軍はしっかりといつのまにか…

いつか

記憶はそのつど、今この瞬間作られるものだから、 その材料は自分の頭の中だけにあるのではない。 TVを見るのが一番楽しかった時に大好きだった曲が、 道を曲がったらきこえてきたら、 まだ幼い君の笑顔を思い出すように。

ヘリックス

初めて人を本気で愛したなんてどうして言えるの?。 何度か本気で人を愛してみた後でやっと、あれが初めてだったとその時わかるのに。 むかし言われた言葉を君はいま思い出す。 ら

か る イ お も イ

いつもは 安いエイティー・セブンをたのむニックがその日は違った。 なぜ、いつも通りのものを注文しないで、店で一番高いブルートセッグなんて 酒をたのむのかと、僕はたずねた。 未来を見てきたのだとニックは答えた。 どんな未来だったのかと思ったが聞く…

ツボミ

ピースヒル公園まで飛んでいけば5分、 歩いて9分 走れば4分で着く。 もう何年も前から、ただ歩いてそこに行っていたことにある日彼女は気がつく。 肩越しに振り向くと羽根はまだそこに付いていた。

とどいたコトバ

島で拾った広口の瓶の中。小さく折り込また紙片、こんなコトバが書いてあった。 ★ はじめまして。 突然ですけれど誰かに聞いてもらいたくてこのコトバを海に流します。 幽霊とかそんな話ではないのですが、物理的にはそこには存在しないモノが、 視界の中に…

羽根

この世界にやって来て、たちまち歩き出す奴はいる。 この世界にやって来ると、喉から音を出して誰かを探す。 何かをつかもうと腕をのばす。 体の栄養にしようと何かを口にふくむ。 しばらく目がみえない奴もいるし、すぐ泳ぎ出す奴もいる。 でも、 生まれて…

水かきの力

ゆっくりと水上を泳いでいる白い3羽。 あの時の僕たちのように。 さっさっと彼女は道をすすんでいく。 どこに行けばよいのかなんて、とっくの昔から私知っているんだから、と。 でも、こっそり彼がつづいてくるのを目の端と、左の耳たぶで確かめつつ。 そっ…

トリックスター

好きな言葉はなに? きみに昔、たずねたことをふっと思い出した。 ”わからない” ”好きな言葉がたくさんあるってこと?” ”だから、好きな言葉よ” ”わからない” ”そう!わからない” ★ 今になって少しわかって、わからなくなってくるよ。

常識の手前

私の前のドアに、 ここから中は常識のない人の入場はお断り、とかかれていた。 そして、ドアの横に門兵が一人立っていた。 私は門兵にたずねた。 常識とは、何でしょうか? 門兵は無言で真っすぐに前を見つめたままだった。 もう一度同じ質問を前よりも少し…

道ノ下

毎日おなじ道を通っている。 太陽は、もうすでに高くのぼってギラギラと輝き僕を待っている時期もあるし、 空と地面のほんの隙間だけを照らして、暖かい地面の中でグズグズしている時期もある。 空気の暖かさや湿り気、そして動きまわる速度は、同じことは一…

ジィミーズ キティ

アメリカに言ってみたかったと、キミは言う。 まっすぐに伸びる道がアメリカだと。 大きな冷蔵庫と、塀のない芝生がある家が並ぶので、 何処へも自由に出入りできるところが、アメリカだと。 姪が十二年前に子供を産んで暮らしている場所が、アメリカだと。 …

すこし開いた扉

もう一週間ちかくなる。 日が昇ると毎朝食堂へ彼は向かう、半分だけ開いた 扉の前で順番を待つ。 彼の名前が呼ばれるのを待つ。 初めて食堂を訪れた時、扉の中から固い表紙の分厚い 辞書のようなものが一本のペンといっしょに彼に差し出された。 ヒラヒラと…

Search me !

気が小さいんだ、僕は知っている 少しよく考えるさえすれば、すぐに解決できる問題を まっすぐに考えようとはしないで ただただ、オロオロとどうしょう、どうりしようとビクビクと問題の周りをグルグルグル、そして近づかない イヤダイヤダと頭を振ってふっ…