あじわいずくり

不味くはなかった。

生まれて初めて食べてみたのだけれど。

少し時間のたたった今では美味しくいただいたのかもしれないとさえ、思う。

でも、二度と口にはしない事は解っている。

こんなことはしてはいけないぞと僕の中で、

もぞもぞとした訴えてくる感覚が見つめかえす。

大昔の夏のあの日の時のように。

 

        時貞進次郎 著「縞模様」より

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