Roof of copper color
気がついたら、そこに僕はいる。
緩やかだけれども長くつづいていて、峠はかなり遠くに青くかすんでみえている、
そんな坂道に立っていた。
振り返って坂の下の方をみかえす。
坂の半分ぐらいの所に、茶色屋根の建物が道に沿っていくつも建っているのが見える。
ここは何処なのだろか? いつから僕はこの坂を登っていたのだろう?
なにも憶えては、いない。
けれど、こうして峠にむかって登っていくことはとても心地よく、とても大切なことだった。