月の湖

宇宙で水は液体なのか、固体なのか考えている時左側の

路地から飛び出してきた車に足を踏み潰された。

そんな奇妙な書き出しの小説を図書館で昨日借りた。

主人公の足は治ることはなくカーボン製の義足を使って歩行する

ことになる。そして、彼らと戦う事になるみたいだ。

どうして戦うのか、彼らは誰なのかは何処にも書かれてはいなかった。

僕はそんな事を考えながら公園ベンチに座って、花壇脇を通りぬけて行く

すこし曲がった尻尾の先だけが白い黒ネコをみていた。

すると、空中から小さな水玉が次々にこの付近に舞い落ちてきた。

 

   葉山一周 著 「やわらかな水」より

 

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