そんなろくでもない帽子なんか脱いで竈の火でジリジリと焼いちゃいなさい、
オイラに彼女は言う。
とても背の高い、真っ黒だけど光りがあたる角度によって虹色に光る(烏の羽のように)そんな帽子をオイラが被っていると彼女は言う。
初めて彼女と出会って話し始めた頃、とても素敵な帽子をかぶっているのね。
わたしとても好きよその、帽子。オイラとこの帽子をとても気にっいってくれていたのに。
昨日の夜遅くに、目を開けるとベットの脇で腰に手をあてて彼女が一人踊っていた。
オイラの見たことのない薄い桃色のつばの広い帽子をかぶって。